英国でも静かに広がる誤解 英戦争博物館資料が示す「慰安婦=性奴隷」の虚妄

【岡部伸の欧州分析】

 「一団の日本人戦争捕虜たちは強制的に慰安所で働かせた不遇の中国人少女たちを伴っていた」

 ロンドンの英帝国戦争博物館資料室にこんな写真説明(1)がついた日本軍兵士の写真(2)があった。ビルマ(現ミャンマー)ラングーンの収容所で45年8月8日、英軍兵士が撮影した英国の公式写真だ。慰安婦とおぼしき女性は写っていない。不思議なことに慰安婦の記述に横線が引かれ、「消去」した形跡があった。そのほか同じ収容所で撮影された日本人兵士の写真すべてに同様の「強制的に中国人少女を慰安婦に」との記述があり、横線で消されている。

 同博物館は中国、韓国など8カ国14団体と国連教育科学文化機関(ユネスコ)の「世界の記憶」(記憶遺産)登録に慰安婦資料30点を共同申請している。この日本兵士の写真と同じ捕虜収容者で同じ日に連合軍兵士が少女を尋問する写真(3)を「慰安婦資料」として申請している。

 なぜ英軍兵士は日本軍捕虜の写真説明に、「中国人少女を慰安婦に」と書いたのだろうか。

 行間を読み解くと、撮影されたのは終戦直前の8月8日。ビルマ戦線で死闘を繰り広げた「仇敵」を憎悪する余り、「強制的に慰安婦」と誤解・曲解して加筆。ところが後日、事実と異なると判断して「訂正」したと解釈できる。

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