金正恩氏ら首脳部暗殺「斬首作戦部隊」予定通り実戦配備 対北現実路線へシフトか

 【ソウル=名村隆寛】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権は、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の発射台の追加配備に加え、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長ら首脳部を暗殺する「斬首作戦部隊」を実戦配備する構えだ。

 「特殊任務旅団」と称される斬首作戦部隊は当初、2019年創設の予定だったが、前政権下の今年1月、国防省が黄教安(ファン・ギョアン)首相(当時)への報告で、2年前倒しの年内創設の方針を提示していた。

 宋永武(ソン・ヨンム)国防相は4日の国会国防委員会で「今年12月1日付で部隊を創設し戦力化が可能」と述べた。

 部隊は平壌に潜入、核兵器発射を命じる指導部を排除し、指揮施設をマヒさせる任務を負う。国防省は「斬首作戦」に投入する戦略ミサイルの発射映像や、平壌を攻撃する仮想の映像を7月に公開している。

 核実験を強行した北朝鮮に対し、韓国の安保政策は文政権でも基本的には変わらないことを示している。

 ただ、北朝鮮の核をめぐり危機的状況のなか、斬首作戦部隊の創設まで3カ月もあり、文政権としては急がない構えだ。北朝鮮は昨年春の米韓合同軍事演習のころから、斬首作戦に強い反発を続けており、過度な対北刺激を避けたいとの思いがうかがえる。

 一方、文在寅大統領は4日、トランプ米大統領と電話会談。同日、ロシアのプーチン大統領とも電話会談し、北朝鮮への原油供給中断や労働者の海外派遣など外貨獲得源の遮断を検討するよう促した。文氏が原油供給中断に言及したのは初めて。

 文氏や韓国政府の一連の“現実的”な動きには、核・ミサイルの開発を加速させる北朝鮮への危機感がある。ただ、文政権を支える与党首脳部からは、対北対話を求める声も依然として根強く、文氏も対話路線から完全に脱却したとは言い難い状況だ。

 国防省は5日、宋国防相が前日言及した戦術核兵器再配備の検討についても、朝鮮半島の非核化への韓国政府の原則に「変わりはない」とし、政府の方針とは異なるとの見解を示した。

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