韓国映画「軍艦島」が封切り 史実に無い残酷な殺害シーン 反日感情を十二分に刺激

 【ソウル=名村隆寛】「軍艦島」の通称で知られる長崎市の端島炭坑を舞台にした韓国映画「軍艦島」(監督・柳昇完(リュ・スンワン)が26日、韓国で一斉に封切られた。

 映画は太平洋戦争末期に、端島炭坑で過酷な労働を「強制」された朝鮮人徴用工ら400人の存在を隠すため、日本軍が炭坑に閉じ込め爆破を試み、朝鮮人が集団で命を賭けで脱出を図るという内容。史実にない話だが、柳監督は韓国メディアに「事実を基にした創作物」と述べている。

 朝鮮人徴用工が坑道内部で死亡する場面のほか、日本人、朝鮮人を問わず、殺害シーンが極めて残酷に描かれている。朝鮮人女性が遊郭に強制的に送られたり、旭日旗を引き裂く場面もあり、韓国人の反日感情を強く刺激する作品だ。

 映画の最後には、「明治日本の産業革命遺産」の一つとして「軍艦島」が2015年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録され、今年中に日本政府が犠牲者を記憶する措置を取るとしたが、まだ実行していない、という趣旨の字幕がスクリーンに流れる。見る者への政治的アピールは強い。

 映画の広告は軍艦島を「朝鮮人には、生きては出られなかった地獄島」と表現。「日本には奇跡。朝鮮人には地獄。軍艦島、まだ終わっていない話」などとも強調している。

 韓国では、日本で徴用された元労働者や遺族らが日本企業を相手に損害賠償を求める訴訟を相次ぎ起こしている。映画が徴用工問題への世論に影響を及ぼす可能性もある。

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