トランプ政権 対北圧力で中国揺さぶり 中国企業に更なる制裁も

 【ワシントン=黒瀬悦成】トランプ米政権が、中国の丹東銀行などへの制裁や台湾への武器供与などの措置を次々と打ち出した背景には、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対して中国が米政権の期待通りに影響力を行使出来ていないことへの不満がある。トランプ大統領は今月上旬にドイツで予定される中国の習近平主席との会談を前に、中国が対北朝鮮圧力に一層前向きに取り組むよう揺さぶりをかけたい考えだ。

 マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は6月29日、ホワイトハウスでの記者会見で米中首脳会談の実施を発表した際、「中国とは、あくまでも連携して北朝鮮問題に対処していく」と強調し、トランプ政権が北朝鮮問題で中国に対して一方的に圧力をかけているとの見方を否定した。

 しかし、トランプ政権が今回のタイミングで丹東銀行を制裁対象に指定したのは、中国が北朝鮮の核・弾道ミサイル開発の放棄に向けて十分な影響力を行使しようとしない場合は、中国の面目を潰してでも独自行動に踏み切るという覚悟を示す狙いがある。

 実際、ムニューシン財務長官は同日、丹東銀行への制裁を発表した際、今後も「北朝鮮国外にいる、北朝鮮(の核開発)を支える勢力を標的としていく」と語り、中国が対北朝鮮で新たな動きを見せない場合は、他の中国企業や個人にも更なる制裁の網を広げていく構えを強く示唆した。

 米政策研究機関「C4ADS」が6月12日に発表した、中国企業と北朝鮮とのつながりを分析した報告書によれば、中国は北朝鮮の貿易取引の85%を占め、取引上位の中国企業を標的とした制裁を加えれば「北朝鮮の違法な資金の流れを断ち切ることができる」と指摘している。

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