ソウルの日本大使館の前慰安婦像、公共物として区の管理に 条例改正 釜山でも30日可決へ

 【ソウル=名村隆寛】韓国ソウルの日本大使館前に違法設置されている慰安婦像をめぐり、地元自治体の鍾路区の議会で「都市空間芸術条例」の改正案が29日までに可決された。これを受け、慰安婦像は7月から「公共造形物」として区の管理下に置かれる。

 慰安婦像は2011年、元慰安婦の女性らを支援する韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)が設置。しかし、電柱や電線、水道管など設置許可を必要とする施設の種類を定めた道路法施行令の対象には当たらず、違法設置が続いていた。

 改正案では、慰安婦像のような民間による造形物も、区の都市空間芸術委員会の審議を経れば公共造形物とされ、区の管理が可能となる。また、像を移設、撤去する場合は同委員会の決定に従わねばならない。また、像が毀損された場合、区は補修など必要な措置を取らなければならないという。

 日本大使館前への慰安婦像の設置は、外国公館前での侮辱行為を禁じたウィーン条約に違反しており、日本政府は像の設置以来、韓国政府に対し抗議を繰り返してきた。また、慰安婦問題をめぐる15年末の日韓合意で、韓国政府は日本政府の懸念を認め、「適切に解決されるよう努力する」と約束している。

 条例改正により韓国国内では、「(慰安婦像)保護の根拠ができた」「撤去できない安全装置になる」(韓国メディア)と歓迎する声が目立つ。しかし、像の存続は国際法違反であり、日韓の2国間合意にも反していること自体に変わりはない。

 また、南東部の釜山の日本総領事館前に、昨年末から違法設置されている慰安婦像についても、釜山市議会の委員会が先週、市が管理するとした条例案を可決。30日には本会議で可決し、条例が成立する見通しだ。

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