トランプ政権 米大統領の弾劾手続き 罷免へ高いハードル

 【ワシントン=加納宏幸】トランプ米大統領がロシア関連疑惑でコミー前連邦捜査局(FBI)長官に捜査中止を求めたとの報道を踏まえ、トランプ氏の弾劾を求める声が広がりつつある。だが、弾劾訴追を決議する下院、弾劾裁判を行う上院のいずれも与党・共和党が過半数を握る現状では罷免のハードルは高い。

 合衆国憲法は「反逆罪、収賄罪その他の重大な罪または軽罪」で弾劾され、有罪判決を受けた場合は罷免されると規定している。弾劾訴追の権限は下院にあり、特別検察官の捜査結果などを基に司法委員会などが調査。下院本会議で決議案を採決し、過半数の賛成で訴追される。

 上院はこれに基づき、弾劾裁判を開始。下院の代表者が検事、連邦最高裁長官が裁判長、上院議員が陪審員の役目を果たす。3分の2以上の同意で有罪となれば大統領は罷免され、憲法の規定に従い、副大統領が大統領に就任する。

 これまでに罷免された大統領はいないが、第17代大統領アンドリュー・ジョンソンが1868年に閣僚の罷免をめぐり、クリントン元大統領が1999年に不倫疑惑での偽証をめぐってそれぞれ弾劾裁判に持ち込まれた。いずれも無罪となっている。

 ニクソン元大統領は74年、ウォーターゲート事件をめぐる司法妨害などで下院司法委員会が弾劾を勧告することを決めたが、弾劾訴追を前にニクソン氏が辞任したため弾劾裁判は行われなかった。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ