「空母キラー」を生んだ台湾・中山科学研究院 主力兵器を外国に頼る悔しさにじませ

【中国軍事情勢】

 2016年7月、台湾海軍のミサイル艇が対艦ミサイル「雄風3」を誤射し、命中した漁船の船長が死亡する事故が起きた。「空母キラー」と呼ばれるこの高性能ミサイルを開発したのが「国家中山科学研究院」だ。かつては国防部(国防省に相当)軍備局に所属していたが、14年4月から行政法人化され、民間との交流も進めている。今月8日には、研究成果を紹介する展示館が開館し、内外メディアに公開された。台湾の兵器開発の最前線を訪れた。(台北 田中靖人)

 かつては核開発も

 同研究院のサイトや陸軍司令部が発行する学術雑誌「陸軍学術」の16年12月号の論文によると、同研究院の設立は1965年にさかのぼる。国防部は同年、「石門科学研究院準備処」を設立し、原子力、ロケット、電子の3分野の研究作業グループを設けた。同年6月に「中山科学研究院準備処」に改称、蒋経国国防部長の下で58年7月に、正式に成立する。

 同研究院は秘密裏に核開発を行っていたが、傘下の核エネルギー研究所の張憲義副所長が88年、米中央情報局(CIA)の支援を得て米国に亡命し核兵器開発を暴露。この結果、台湾は開発を放棄し、核エネルギー研究所は同研究院から行政院(内閣)の原子力エネルギー委員会に所管替えとなった。

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