朴政権崩壊・弾劾の波紋(上) 韓国は希望消え不満のどん底 分裂・混乱・国政停滞

 「決定は無効だ!」

 韓国の憲法裁判所が朴槿恵氏の大統領罷免を決定した10日、ソウルの憲法裁周辺では激怒した朴氏の支持者らが警官隊と激しく衝突し、流血の事態となった。警察などによると2人が死亡、76人が負傷した。

 朴氏の支持者らは韓国国旗を振り「弾劾反対」を叫び続け、角材などを手に警察車両を襲撃。車両の屋根に上り転落、負傷する者もいた。中には支持者らから棒で顔面を殴打され搬送された警察官もいる。暴行は取材中の報道関係者にも及んだ。テレビカメラを破損されたとの情報もある。

 「申し上げることはない」。聯合ニュースによると、大統領職を罷免された朴氏は韓光玉大統領秘書室長らにそう語った。支持者が暴徒化し、混乱した現場は大統領府の近くだった。自らの問題で流血騒動が起きたにもかかわらずだ。

父、朴正煕の遺産

 「経済復興を実現し、国民が幸福な“第2の漢江の奇跡”を実現させる!」

 2013年2月、朴氏は大統領就任式の演説で、父、朴正煕元大統領が果たした高度経済成長に言及した。現在も韓国では絶大な尊敬を受ける朴正煕を娘の姿に重ね、韓国国民は夢を託した。罷免に反発し、暴れた人々は、最後まで朴氏を守ろうとしたようだ。

 だが、5年の任期中に達成すべき公約はほとんど実現できず、任期を11カ月余り残し朴氏は大統領の座から降ろされた。「希望の時代」「経済民主化」といった華々しい言葉を繰り返した朴氏だが、今の韓国に希望はなく、経済はどん底。国民は幸福どころか不満でいっぱいだ。朴氏が描いた夢はすべて悪夢と化した。

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