大隅さん「若い研究者を育てるシステム作りに」ノーベル賞・賞金で

 【ストックホルム=岡部伸】ノーベル医学・生理学賞を受賞した大隅良典東京工業大栄誉教授(71)が授賞式から一夜明けた11日午前(日本時間同午後)ストックホルム市内のホテルで記者会見を行い、授賞式と晩餐会が終わったことに、「家族ともどもホッとしている」と語るとともに、800万クローナ(約9400万円)の賞金の使途について「来年から若い研究者を育てるシステム作りに取り組みたい」と述べ、賞金を元に企業や篤志家の協力を得て、若い研究者を支援する基金設立に意欲を示した。

 大隅さんは、国が近年、短期に成果が見込めそうな研究に資金を重点配分し、基礎研究にしわ寄せがきている点について、「次々と(ノーベル賞を取れるような)若い人が育つような体制ができないと日本の科学は空洞化する」と危機感を持っており、「受賞を機に賞金を使って若い研究者を支援するシステムができたら良い」と企業に協力を仰ぎ、賞金で研究者支援基金を設立する意向を表明、「できれば、短期ではなく恒久的な内容で、飛び抜けて優秀なエリートではなく科学を研究したくても家庭の事情が許さない若い人に、裾野を広げて何人かサポートしたい」と語った。

 さらに、「基金を設立して民間から資金を募る場合は、さまざまな問題もあるが、うまくいく希望を持っている」と語り、「制度が硬直化して一人歩きしないように永続的な制度作りを目指したい」と意欲を語った。

 欧米では返還義務のない奨学金があるが、日本にはないためか、学生の研究者離れは深刻で、2000年は15%台だった博士課程への進学率が、15年度は8%に落ち込んでいるという。

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