【アジア味覚紀行】世界一安いミシュラン店 シンガポールで2時間並んで食べてみた

 レストランを格付けする「ミシュラン」が7月下旬、東南アジアで初となるシンガポール版を発表した。国民1人あたりの所得で日本を大きくしのぐ「お金持ち」の都市国家だけに、現地には世界中から有名店が出店している。星を獲得した29店には、東京・日本橋発祥でマーボー豆腐でおなじみの「四川飯店」など、日本ゆかりの店も多く名前を連ねた。だが…、値段はやはり、高い。一方、シンガポールの庶民の胃袋を支える屋台料理2軒も1つ星を獲得して話題となった。「世界一安い」と称されたミシュラン店の行列に並んだ。(シンガポール 吉村英輝)

 シンガポールでは住民の8割が集合住宅に住む。大半の夫婦は共働きで、朝食や夕食は団地内の一角で営業する簡易食堂で済ませる家族が多い。星を獲得した「吊橋頭大華肉●(=月へんに座のまだれを取る)麺(Hill Street Tai Hwa Pork Noodle)」も、現地で「コピティアム」と呼ばれる、そんな簡易食堂に入る屋台料理の1軒。地元で「バクチョーミー」と呼ばれるポーク・ヌードルの専門店だ。

 星獲得から2カ月以上たった平日正午ながら、約50人が並んでいた。食堂内にはほかに4店が軒を連ねて営業していたが、行列はこの店だけ。同店のとなりで洋食店を営む男性は「2時間は並ぶぞ。ミシュラン店目的の観光客で混雑し、一般客は近づかない。おかげでこっちの商売はあがったりだ」と恨み節だ。確かに、食堂内には約20卓があるが、占拠しているのは飲み物をストローでかき回している外国人客ばかり。「代表」で行列に並んでいる連れが運んでくるバクチョーミーをひたすら待っているのだ。

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