日本人連続受賞を手放しで称賛する韓国メディアの本音は…根深き「ノーベル賞ほしい病」の実態

 【桜井紀雄が見る劇場型半島】

 韓国の主要紙がそろって社説で日本を手放しでたたえるというまれな現象が起きた。ノーベル医学・生理学賞の日本人受賞が決まり、日本人のノーベル賞受賞は3年連続で25人目となることを受けたものだ。韓国メディアは、連続受賞の「秘訣(ひけつ)」を探り出そうとし、翻って自国が科学分野での受賞がゼロなのは「短期成果主義」にあると政府の政策や社会風潮を批判する。「ノーベル賞ほしい病」と自嘲するほど、ノーベル賞という“成果”にとらわれすぎているのはメディア自身のように思えるのだが…。

■萎縮するシーズン到来「政府と科学界は恥を知れ」

 「世界10位圏の経済強国の韓国は、ノーベル賞シーズンになると萎縮する」

 今年のノーベル医学・生理学賞を、東京工業大の大隅良典栄誉教授(71)が受賞することが決まり、韓国大手紙の中央日報は5日、このような書き出しで始まる社説を掲げた。

 金大中(キム・デジュン)元大統領の平和賞受賞を除き、科学分野で受賞ゼロという自国の状況について、「韓国は、隣国の祭りを見物ばかりする状況だ。受賞どころか、候補リストにも挙がっていない」と嘆く。

 東亜日報は「世界が賛辞を贈る日本の科学技術の底力を目の当たりにし、韓国の現実はみすぼらしい」と自国の現状について、社説でさらに辛辣(しんらつ)に論じた。

 「世界1、2位を争う研究開発予算だと、自画自賛する政府と科学界は恥を知らなければならない」

 他の主要紙もこぞって日本人の連続受賞を称賛し、基礎科学研究の環境づくりをなおざりにしてきた自国の無策ぶりを批判した。

 メディアが一様に、「受賞ゼロ」の原因に挙げるのは、韓国社会にはびこる「短期成果主義」だ。

 朝鮮日報によると、韓国は、国内総生産(GDP)に占める研究開発費の割合が4・15%(2013年)で、主要20カ国・地域(G20)でトップだという。政府が科学技術の研究・開発をないがしろにしているというわけではなく、むしろ、科学者で「ノーベル賞第1号」の誕生に向け、カネに糸目を付けない姿勢を示してきた。

 それでもノーベル賞に結び付かないのは、「政府の支援金は、2、3年以内に目に見える成果が期待できる分野に分散投資され」、研究者も「冒険的テーマに挑戦するよりも、他人が既に開拓した分野に便乗し」た研究ばかりが量産してきたためだと、同紙は社説で分析する。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ