米で「政府VS州」のトイレ・バトル泥沼化 LGBTを性差別? 法廷闘争に発展

 【ワシントン=加納宏幸】同性愛者や性転換者ら性的少数者(LGBT)に出生証明書と同じ性別のトイレを使うよう求める米南部ノースカロライナ州の州法「HB2」(通称・トイレ法)をめぐる論争が、連邦政府と州が互いを相手取り提訴する事態に発展している。州の判断が性別による差別を禁じた公民権法に反するかが争点となる。

 ノースカロライナ州のマックロリー知事(共和党)はトイレ法について「基本的なプライバシーとエチケットを守るために必要」と主張してきた。一方、民主党のオバマ米大統領はLGBTに対する差別であるとして批判している。

 米司法省はマックロリー氏に書簡を送り、トイレ法が公民権の侵害に当たるとして、9日を期限にトイレ法の施行を拒否する意思があるかを照会。同知事は連邦政府による介入は州に対する越権行為であるとして、ノースカロライナ州の連邦地裁に提訴した。

 マックロリー氏は9日の記者会見で、連邦政府が公民権法について「過激な新解釈」をしていると指摘。米議会に同法の規定を明確化するよう求めた上で「オバマ政権は(実質的に)法律を書き換えることを試み、米議会を迂回(うかい)しようとしている」と非難した。

 これに対し、司法省は9日、トイレ法が公民権法に違反しているとして同州を相手取って提訴。リンチ司法長官は9日、記者会見し、「ノースカロライナ州は性転換者に対し、州によって支援される差別を作り出した」と批判した。

 トイレ法は今年3月に成立。ロック歌手のブルース・スプリングスティーンさんらが同法に抗議するため州内でのコンサートを中止したり、大手企業がノースカロライナ州内での事業計画を見直したりするなどの影響が出ている。

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