北総参謀長処刑情報 「権勢と官僚主義根絶せよ」正恩氏自らはっぱかけた意図は…

 北朝鮮の李永吉(リ・ヨンギル)朝鮮人民軍総参謀長が処刑された可能性が高いことが10日、分かった。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は軍幹部の降格や更迭を繰り返し、軍部の引き締めを図ってきた。最高権力者としての求心力を、核・ミサイル実験による国威発揚と、恐怖政治による“忠誠競争”に頼らざるを得ない苦境も浮かぶ。(桜井紀雄)

 「党組織と政治機関は、権勢と官僚主義を根絶するための闘争を根気強く進め、根源をなくさなければならない」。今月2~3日に初めて開かれた朝鮮労働党中央委と軍委員会の拡大連合会議で、金第1書記はこうハッパをかけた。

 消息筋は、この会議の前後に、永吉氏が「分派活動と権勢汚職」の嫌疑で処刑されたと見ており、発言には永吉氏に対する処分が念頭にあった可能性がある。

 この会議や事実上の長距離弾道ミサイル発射を受け、8日に平壌で開催された祝典に永吉氏の姿はなく、代わってひな壇に座ったのは、警察組織の人民保安部長を務めた李明秀(ミョンス)氏だった。聯合ニュースは後任の総参謀長に明秀氏が就いた可能性を報じているが、80歳を超える高齢であり、軍「制服組トップ」としての手腕を危ぶむ声も既に上がっている。

 金第1書記は、最高指導者に就任約半年後の2012年7月に当時の李英浩(ヨンホ)総参謀長を突如、解任したのを皮切りに、軍幹部の降格や昇格を繰り返すことで、組織の引き締めを図ってきた。昨年4月には、人民武力部長だった玄永哲(ヒョン・ヨンチョル)氏が処刑されたとされる。

 軍は、体制を維持する上で欠かせない「暴力装置」であると同時に、最高権力を脅かす存在にもなり得る。金第1書記が軍幹部の粛清を続けるのは、「軍歴がほとんどない自信のなさの裏返しだ」との指摘もある。

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