ピカソの孫娘、祖父との過去と決別? 秘蔵作品を競売、20億円で落札 未公開絵画など180点

 【ロンドン=岡部伸】競売大手サザビーズによると、20世紀最大の巨匠、パブロ・ピカソの孫娘、マリーナ・ピカソさんが秘蔵していたピカソ作品など180点以上が5日、ロンドンのオークションに出品され、総額約1200万ポンド(約20億3500万円)で落札された。

 出品されたのはピカソの未公開だった絵画約110点と陶器、テラコッタ像などの作品など約70点。

 最も高額で落札されたのはピカソが1933年から34年に人間の顔をブロンズに描いた彫刻「ビサージュ」で42万5千ポンド(約7206万円)だった。また今回初めてピカソが油絵を描く際に絵の具を溶いたり調合したりするために用いたパレット(調色板)が出品され、予想額(6千から8千ポンド)を大幅に上回る4万5千ポンド(約7630万)で落札された。

 マリーナさんはピカソの長男、パウロさんの長女で1975年にフランスのカンヌにある別荘と作品約1万点を相続した。昨年6月にも126点の陶器の作品を出品し、1230万ポンド(約20億8578万円)で落札された。

 マリーナさんが相次いで祖父の遺作を売却する背景に、巨匠への苦い思いがある。2001年出版した回顧録『マイ グランパパ ピカソ』で祖父によって家族は惨めな人生を強いられたと巨匠を糾弾している。

 1973年に死去したピカソは遺書を残さなかったため、妻、前妻、4人の子ども、8人の孫が遺産を争い、マリーナさんは5分の1を相続した。だが祖父への憎悪とも言える複雑な気持ちは消えなかった。

 マリーナさんは、米ウォールストリート・ジャーナル紙に「売却する作品は私の(辛い)歴史そのもの」と語っており、作品売却は、「過去と決別」するためとされている。売却益はベトナムの小児病院やフランスとスイスの老人介護施設と若者支援施設などマリーナさんが支援する慈善団体に寄付される予定という。

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