【外信コラム】海外旅行者の減少、食品価格の高騰…踏んだり蹴ったりのロシア庶民

 この年始は丸3年ぶりに一時帰国し、1週間ほど日本の空気を満喫した。宿泊した東京のホテルにロシア人観光客の大群がおり、任地のモスクワを離れてまでロシア語を聞かされたのには少々参ったが…。

 ロシアでは、露旅客機爆破テロがあったエジプトへの航空便や、関係が急激に悪化したトルコへの旅行商品販売が禁じられた。欧州もテロの脅威や移民問題でピリピリしており、観光客の目はおのずと日本を含むアジアに向いている。

 だが、日本を訪れることができるのは、ロシアの中でも裕福な人々にほかならない。経済低迷と通貨ルーブルの大幅下落で海外旅行は高くつくものとなり、エジプトとトルコという比較的安価な2大観光地が失われた。業界筋によれば、年始休暇の海外旅行者は前年の約3割減となった。

 国内にとどまったとしても、食品価格の高騰がやはり頭の痛い問題だ。通貨下落に加え、プーチン露政権が欧米やトルコの農産品などを輸入禁止にした“制裁”が響いている。公式統計でも、平均的な「正月の食卓」は前年比28%も値上がりしたとされている。

 庶民の生活水準が向上し、多くの人が海外旅行に行けるようになったのは、プーチン時代で最大の“成果”だった。それが今、音を立てて崩れ始めている。(遠藤良介「赤の広場で」)

注目まとめ

    アクセスランキング

    もっと見る

    ピックアップ

      どう思う?

      「どう思う?」一覧