金第1書記がすがった危うい覚醒効果…核実験、漁船漂着が予兆? 民生破綻し薬物蔓延

 北朝鮮の若き最高指導者は新年の辞でも「人民生活向上」を誓ったはずだ。それがなぜ、中国との関係悪化でさらなる経済苦を招くだけの核実験に踏み切ったのか。遺体を乗せ、相次ぎ日本海岸に漂着した木造漁船にその一端を解く鍵が隠されている。(桜井紀雄)

 「水産部門から軍人や人民の生活向上の突破口を開こう」。朝鮮中央通信によると、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記は昨年12月28日、朝鮮人民軍の水産部門幹部らを前に演説し、こうはっぱをかけた。

 民生向上策として、金第1書記が特に力を入れているのが、水産部門の活性化で、昨年以来、水産事業所などの視察報道が目立つ。

 軍の管理の下、外貨につながるイカやタラの漁が奨励され、多くの小型漁船が冬に入る前の荒れ始めた日本海にこぎ出していった。

 一方、昨年10月以降、北海道や青森、秋田、新潟、石川、福井各県などの海岸に木造船が流れ着き、船内や周辺で遺体が相次ぎ発見された。海上保安庁によると、船や船体の一部が27件、計27遺体が確認された。船体に刻まれた軍の標識とみられるハングルと数字の表記からも、大半が北朝鮮漁船と考えられている。

 「上からの命令による無理な出漁が招いた遭難だろう」。日韓の北朝鮮専門家の大方の見方だ。

 ただ、脱北者らの間では、別の原因もささやかれている。「漁民らが集団で覚醒剤を使ったせいだ…」

 漁に関係した脱北者らによると、疲労や寒さを紛らわせるため、酒瓶より携帯しやすい覚醒剤を船に持ち込む漁民が少なくないという。2007年、青森県に船で漂着した脱北者も「眠らないように」と覚醒剤を所持していた。

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