米国人写真家、子供病院にぬいぐるみのクマの写真贈る“クマニケーション”で笑顔を

 奇岩が立ち、西部劇の舞台としても有名な米アリゾナ州一帯のモニュメントバレー、「空中都市」の異名を持つ南米ペルーのマチュピチュ遺跡、氷点下の世界が広がる南極…。ぬいぐるみのクマを置いて撮った各地の写真を拡大、米ボストン子供病院など約15カ所に寄贈している写真家だ。

 歯科などの病院は子供にとって「怖い場所」で、ストレスを感じさせる存在でもあるが、「(殺風景な)院内にぬいぐるみのクマの写真があれば、自然と笑みがこぼれる」と、クマが与える“効用”を強調する。

 誕生時にぬいぐるみのクマを与えられて以降、300匹以上を収集。「自宅内はクマだらけ」と笑う。

 最初にクマを撮ったのは1980年代初めのカリブ海。最初は趣味程度だったが、2年前から日本人の妻マコさんと社会奉仕活動として取り組んできた。自身も日本語を操る。

 「ぬいぐるみのクマにはカトリックやイスラムといった宗教、白人や黒人といった人種もなく、見る者に癒やしを与える。その力には驚くばかり」と語る。

 子供のころ読んだ児童小説「クマのプーさん」について、「(人間の)モラルを示すなど哲学的。読めば読むほど意味深い」と指摘した上で「大人向けの本が出ているのは良書の証拠でもある」と熱く語る。

 英ウィンザー城を80年代に訪れた際、無表情の衛兵近くにクマを置いたことがある。衛兵はぎこちなく歩いた後、意外にもウィンクをし、軽い会釈までした。

 「クマは人の気持ちをも動かせる。まさに『“クマ”ニケーション』ができる存在だ」とし、今後も世界中の子供たちを喜ばせるため千枚の写真を贈りたいと意気込んでいる。(ニューヨーク 黒沢潤、写真も)

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