「慰安婦」日韓合意 朴槿恵大統領、「年内」の対日改善にこだわったわけは…

 【ソウル=名村隆寛】「慰安婦問題の年内解決」。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が11月の日韓首脳会談の前に示し、こだわり続けてきた目標が日韓外相会談の合意で実現した。日韓関係にからむ政治日程などが対応の背景にあったとみられる。

 朴大統領は28日夜、異例の国民向け談話を発表し、「韓日関係改善と大局的見地から、今回の合意について(元慰安婦の)被害者と国民の皆さんに理解していただけるよう願う」と呼びかけた。

 朴大統領は来年、日本で開催される日中韓首脳会談に出席する。ただ、日韓関係が冷え込む中、日本の世論は訪日に適したものとは言いがたい。韓国政府も、日本での対韓世論の悪化を気にかけている。

 訪韓する日本人観光客は激減。日本から韓国への投資や貿易の額も下がり続けている。低迷を続ける韓国経済にも影響が出ており、韓国では財界だけでなく、政権周辺からも危機感が伝わってくる。こうした現実に、朴政権は対日関係改善は必須と判断したようだ。

 来年2月には5年の大統領任期の4年目に入る朴大統領に残された時間は少ない。来年2月22日は日本の「竹島の日」で、3月1日は日本による朝鮮半島統治からの独立運動の記念日だ。4月には韓国で総選挙があり、日本では靖国神社の「春季例大祭」がある。「慰安婦問題の解決が日韓のデリケートな記念日や行事が続く時期まで延びることは避けたかった」(外交筋)ようだ。

 朴大統領は現時点まで、実績らしい実績は残せていない。経済に加え教科書国定化や失業、格差の拡大など難題が山積し、国民の不満は強い。慰安婦問題で合意を急いだ背景には、こうした事情もありそうだ。

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