英雄の殉職警官 一転「裏切り者」「ギャングに撃たれ殉職」実は横領隠す自殺

 さらに今年4月、村が財務監査を開始すると、公金横領の発覚を恐れた警部補は、女性責任者のアン・マリーンさんを脅迫。同時に何者かに「マリーンさん殺害を請け負うギャングを雇えないか」とメールを送信していた。ヒットマンが見つからなかったのか、逃げ切れないと思った警部補は、結局、自殺を選ぶ。

 ■「擁護論」逆手に自作自演か

 だが、警部補はここでも偽装工作を忘れなかった。米国では、警察当局の黒人差別への批判は根強い。とはいえ、警察官が黒人に殺傷されると、警察の擁護論が高まる傾向にある。警部補は、こうした米国独特の背景を逆手にとり、黒人を含むグループを“ギャング”に見立てて、自作自演の“事件”を捜査中だと、警察署に連絡していたとみられる。もちろん、3人組には「文句のないアリバイがある」(地元警察)と早々に捜査対象から外れた。

 警部補は警棒や眼鏡、催涙スプレーなど装備品が誰かに奪われそうになった形跡があったが、これらも全て偽装。最後の決め手は、第三者が拳銃を発射した痕跡が残っていなかったからだった。

 予想外の展開に、息子を警察官育成プログラムに参加させていたキャシー・ペダーソンさんは「彼がこんなことをする人間だなんて誰も思っていなかった」と落胆した。しかし、捜査当局の責任者、ジョージ・フィレンコ氏はこう言い放った。

 「この偽装自殺が彼の犯罪行為の結末だ。グリニウィックは、究極の裏切りを犯したのだ」

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