「スパイ」摘発、送金・携帯規制…金正恩政権、法改正し中国系弾圧 雪解け演出の裏

 北朝鮮が「華僑」と呼ぶ国内の中国系住民への圧迫を強めている。「スパイ」嫌疑で華僑を相次ぎ摘発。華僑の自由な経済活動を規制する法改正を実施していたことも11日、中朝関係者への取材で分かった。金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が中国の最高幹部の一人と朝鮮労働党創建70年行事で会談するなど、中朝関係の雪解けを演出する裏で、中国系住民への抑圧緩和を外交カードに利用する可能性も指摘される。

 中朝関係者らによると、北朝鮮は5月1日、中国籍を保持する住民にも、北朝鮮公民と同等の法令を適用し、処罰する法改正を実施。北東部清津(チョンジン)市では、華僑に対して「不許可の送金活動」や「韓国製映画、ドラマ、音楽の流布」の禁止が通達されたという。

 華僑はこれまで、政治集会への参加といった公民の義務が免除されてきた。中国の親戚訪問と称して中朝国境を往来、関税なしに中国製品や現金を持ち込み、ヤミ市場を支えてもきた。

 一方で、海外の情報を伝えたり、脱北を手引きしたりするなど、統制を揺るがす仲介役ともなってきたことから「平等な法適用」を盾にメスを入れた形だ。

 中朝間の情報ツールとなってきた中国製携帯電話の密売も厳しく取り締まり、価格が10倍に跳ね上がったとの情報もある。華僑からは「自分たちは外国人のはずが、実際は一般住民より扱いが厳しくなった」との不満が漏れているという。

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