「台湾人を放射能食品の残飯入れにするな」福島県産など輸入禁止食品を「他県産」と表記

 【台北=田中靖人】東京電力福島第1原発事故の後、輸入を禁止している福島など5県産の食品が見つかったとして、台湾当局が回収を命じた問題が波紋を広げている。放射線の検出報告はないのに一部メディアが「健康上のリスク」を報じ、当局の隠蔽疑惑まで指摘される。台湾では昨年、廃油を使ったラード(豚脂)の流通が発覚。食の安全に敏感になっており、日本側が求める輸入解禁に影響する恐れもある。

 食品衛生当局は24日、台湾の輸入会社10社が輸入した食品283種類が、輸入を禁じている福島、茨城、群馬、栃木、千葉の5県産だったとして回収を命じた。大半がカップ麺や飲料、菓子など大手食品会社の加工食品で、製造工場が5県内にあった。他県産とする中国語のシールが貼られており、産地偽装の疑いで検察が捜査を始めた。

 25日付の新聞各紙は大きく報じ、一部は全商品のリストを掲載。26日までに放射線は検出されていないが、「発癌リスク」に警鐘を鳴らす専門家の声も報じられた。

 また、情報を得てから1カ月以上発表しなかったとして、当局の「隠蔽」(蘋果日報)を批判。「台湾人を放射能食品の残飯入れにするな」(聯合報)といった感情的な表現もあった。

 食品衛生当局は、日本の食品に新たに産地証明や放射線検査報告を科す規制強化を検討、日本側と協議が続いている。今回の事態を受けて高官は25日、立法院(国会に相当)で「早ければ6月にも(規制強化を)施行する」と答弁した。

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