崩壊マンション、機能しない救命いかだ…韓国・北朝鮮「ずさん施工」のワケ:イザ!

2014.6.7 14:32

崩壊マンション、機能しない救命いかだ…韓国・北朝鮮「ずさん施工」のワケ

 【桜井紀雄の劇的半島、熱烈大陸】

 北朝鮮は5月、平壌の23階建てマンションが崩壊、多数の死傷者が出て担当幹部らの謝罪を公表する異例の対応に出た。韓国でも傾いたビルが崩れ、復元されたソウルの南大門(ナンデムン)が手抜き工事のために再工事が必要だと判明。沈没した旅客船セウォル号でずさんな改修・管理の実態が次々表面化した後だけに批判がわき起こった。「速度」ばかりを優先したことが南北に共通した“手抜き”の背景にあるようだが、原因はそれだけだろうか。

■「胸痛め夜明かした」はずが、笑顔でサッカー観戦

 「施工をいいかげんに行い、監督・統制を正しく行わなかった幹部らの無責任な行為で重大な事故が起き、人命被害が出た」

 北朝鮮国営の朝鮮中央通信は5月18日、平壌市平川(ピョンチャン)区域のマンションで起きた崩壊事故についてこう報道した。北朝鮮の大規模事故で、ずさん工事を認めたこの種の公表は異例中の異例だ。

 事故が起きたのは同月13日夕。韓国メディアの報道も合わせると、現場は平壌駅から徒歩15分という一等地で、完成前だったが、警察に当たる人民保安部など政府機関や朝鮮労働党の中堅幹部ら92世帯が既に入居。事故に巻き込まれ、子供や主婦、施工中の作業員ら400~500人が死亡したとみられている。

 3万ドル(約300万円)で分譲も行われ、外貨稼ぎに携わる富裕層も入居していたとされる。

 朝鮮中央通信は「事故の責任は党の人民愛の政治をしっかりと擁護できなかった自身にある。この罪は何をもっても補償できず、許されることでもない」と平壌市民に陳謝する崔富日(チェ・ブイル)人民保安部長ら複数の担当幹部らの謝罪の言葉を伝えている。崔氏は金正恩(キム・ジョンウン)第1書記のバスケットボールのコーチも務めたとされる側近だ。

 「事故の報告を受け、あまりにも胸を痛めて夜を明かし、党と国家、軍の責任幹部らを、万事を差し置いて現場に出向かせ、被害を一日も早く解消するよう具体的指示を与えた」と金第1書記自身の対応も伝えられた。

 金第1書記本人は事故現場には現れず、事故翌日には、笑顔でサッカー試合の観戦に興じる姿が報じられている。

関連ニュース