「犬も歩けば取材日記(2)」熱帯のカメルーンで「APPLE」は必要?:イザ!

2014.3.24 19:12

「犬も歩けば取材日記(2)」熱帯のカメルーンで「APPLE」は必要?

イザ!海外特派員 青年海外協力隊・小野洋文〔カメルーン〕

 ドキュメンタリー番組の撮影のために、隣の村の小学校を訪問した。

 校長に案内されて教室に入ると、子どもたちが一斉に起立して姿勢をただし「ボンジュール、ムッシュー!」と校長先生にあいさつする。笑った顔はない、その表情からは緊張した様子がありありと分かる。「偉い人」には礼儀正しくする、と教わっていて反射的にそうしているのか、怖い大人におびえているのか、それらがミックスされた子どもたちの感情が読みとれた。

 カメルーンでは、青年海外協力隊として、幼児教育・小学校教諭の隊員たち7名が各地で活動している。ふだんの授業はどんなようすなのか。隊員らに聞いてみると、“つめこみ式”に授業をおこなう傾向があることが課題だ、という。先生たちは子どもたちに高圧的な態度で接していて疑問に思うことも度々だ、ともいう。どこか昔の日本をほうふつとさせるが、自分の見た校長先生へのおびえた態度も、そんな教育現場の雰囲気からきているのかもしれない。

 訪れた3、4年生合同のクラスでは、英語の授業をおこなっていた。英語とフランス語が公用語となっているカメルーンだが、この地域はフランス語圏なので、英語は第2公用語としての位置づけとなる。

 授業は英単語を覚えるという簡単なもので、黒板を見ると、「アント(あり)」、「アップル(りんご)」、「アックス(斧)」などの絵と、スペルが書かれてあった。今日は「A」から始まる単語を覚える授業のようだ。

 一見するとおかしくもないが、実用的に使えるための外国語学習とか、勉強を楽しいと感じさせるための動機づけ、という観点からは、あまり効果のある授業とは言いがたい。だいたいにおいて、町にバナナやマンゴーは売っているが、輸入品のりんごを見かける機会はそれほど多くない。りんごを作っていない熱帯の国で、子どもたちは「アップル」という単語を習っているわけである。

関連ニュース