星野仙一氏死去 長嶋巨人のメイクドラマに最も悔しいはずの闘将は…

 突然の訃報が22年前の記憶を鮮明に呼び覚ました。平成8年9月20日、場所は東京ドーム。熾烈(しれつ)な優勝争いを繰り広げていた巨人-中日の試合が終了した直後だった。運悪く取材応援でグラウンドの出入口近くの通路に待機していた。

 「ええ加減にせい。ちょっと来い」。4-5で苦杯をなめた闘将が審判を呼びつけるなり通路脇のタバコ部屋に連れ込んだ。ジャッジへの抗議だろうと壁に耳をつけてうかがおうとした次の瞬間だった。意味不明の激しい怒鳴り声に「ガンガンガン、ドンドンドン」と乱闘を思わせる激しい音が響き渡った。

 思わず頭をそらしたところに異変に気づいたテレビ各社の取材クルーが殺到した。金属製のテレビカメラのレンズカバーがカウンターパンチのように左後頭部を直撃した。激痛に一瞬ひるんだ隙に壁耳の特等席から弾き出されてしまった。

 せっかくの取材チャンスを逸し、左後頭部にはたんこぶ。散々な取材になってしまった。これが闘将を間近に見た最初だった。印象が良いわけがない。

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