貴乃花親方激怒のきっかけは白鵬疑惑の一番 やくみつる氏指摘「親方は不信感抱いている」

 なかでも「朝青龍の引退後に、日馬富士が白鵬に勝って横綱昇進を決めた一番は噴飯ものだった」とやく氏は語気を強める。

 その相撲とは、2012年秋場所千秋楽の結びの一番を指す。14日まで日馬富士は全勝で、白鵬は10日目に平幕の栃煌山に負けを喫していた。

 日馬富士は2分近くの熱戦の末に白鵬を下手投げで破り、2場所連続の全勝優勝を決めた。会場は大歓声だったが、やく氏は「最初から白鵬に攻める様子が全く見られなかった。日馬富士の最後の下手投げをたえるようにトントントンと足を運ばせて倒れるあたり、私の目には大相撲というよりは、いかにも“見せ物”という感じにしか映らなかった」と振り返る。

 ここ1、2年の優勝争いで、結果的に割を食う形となったのが日本人横綱の稀勢の里(31)だった。日馬富士と白鵬の千秋楽の取組で、どちらかが負ければ稀勢の里との優勝決定戦になるという局面では、優勝争いをしている側が勝ち、決定戦を回避するというケースがあった。

 やく氏は「それが“あうんの呼吸”によるものか、そうでないかは分からないが、白鵬と日馬富士の間でそうした『収斂』がなされることはいくらでもあったのではないか」と推察する。

 貴乃花親方は今回の暴行問題で、モンゴル人力士が集まる酒席で暴行が起きたために強硬姿勢を取っているとの観測もあるが、やく氏は「そこまで深謀遠慮があったなら、もっと別の方法を取っているはずだ。自分の大切な弟子が傷つけられたために行動を起こしたのだと思う」とみる。

 ただ、「貴乃花親方が白鵬に不信感を抱いていることは確かだ。私が見てもこれまでおかしいと思う相撲がいくつもあった。プロである親方がそれ以上のことを感じているのは間違いない」とやく氏は語る。

 白鵬は、日馬富士が休場した九州場所で40回目の優勝を飾っており、その実力を疑う者は誰もいない。だが、日馬富士が引退したことで、今後の賜杯争いの行方に変化は出てくるだろうか。

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