ファウルボールが少女の顔面を直撃 議論され続けるスタンドの防護ネット範囲

 【小林至教授のスポーツ経営学講義】

 米大リーグ(MLB)各球場で、防護ネットの範囲拡大の動きが加速しています。

 契機になったのは先月、ヤンキースタジアムで時速170キロのファウルボールが三塁側スタンドで観戦していた少女の顔面を直撃した一件。打者はその場で震えながらうずくまり、少女が搬送される間、球場全体が息をのんで見守る映像は衝撃的でした。

 選手からもネットの延伸を求める声が上がり、実際2年前にMLBは各球団に対してネットの延伸を推奨していたこともあって、対策を講じてこなかった球団が批判されているという状況です。

 多くの球団がこれまでそうしなかった理由は、前列の高額な席を購入してくれる客が臨場感を求めていることと、これまでファウルボールによるケガをめぐっての訴訟では球団側が例外なく勝利してきたからです。

 日本でも、2004年の球界再編以降、“ファン・ファースト”の原則に各球団が立ち返る中、ネットを縮小する動きが相次ぎました。当時、私が球団取締役を務めていたホークスも、検討を重ねたことを覚えています。

 興行価値が高いネット外しは既定路線という考え方がある一方、スタジアム担当とチームは大反対。とりわけ、外国人選手たちの声には、前のめりだった私も考えさせられました。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ