水沼貴史氏が絶賛!井手口&山口は日本代表の心臓になりえる 本田、香川外し一気に「世代交代」へ

 見事な試合だった。サッカー日本代表史上にしっかり刻まれる90分だった。これまでハリルホジッチ監督の采配に関してはさまざまなことがいわれきた。しかしW杯出場権を獲得しようとする試合で、今回の最終予選初先発となる乾(エイバル)、浅野(シュツットガルト)と2人のFW陣を抜擢したのは、日本人監督では絶対にできない、ハリル監督ならではの采配だった。

 日本代表の世代交代が一気に進む節目の試合になることだろう。海外組偏重といわれ続けてきたが、この試合で90分フル稼働したMF井手口(G大阪)とMF山口(C大阪)は国内組。守備と攻撃が連動した。これだけ激しく稼働する2人のボランチは、日本代表の心臓になりえるコンビといえる。

 ボール支配率は38・2%だったが、それでも勝てたのはこの2人が最後まで走りきったからだ。「選手には試合終了まで、とにかく走ってもらう」というハリルホジッチ監督の指示を忠実に実行していた。そして浅野、井手口がゴールを決め、これだけ大胆な采配が的中した試合は過去にもなかった。

 代表は選手起用についてスタッフとのミーティングを重ねるが、ハリルホジッチ監督は最も大事な試合で最後の決断を見事にやりきったのだ。

 そして改めて思ったのは、長谷部主将(フランクフルト)の存在の大きさだ。長谷部はボールを失って危ない場面が度々あったが、守備と攻撃の切り替えの指示を正確に出していた。安定した試合運びとなったのは長谷部がいたから。アウェーのイラク戦(6月13日)で勝ちきれなかったのは、故障で欠場していた長谷部がピッチにいなかったからである。

 これから日本代表は世代交代に拍車がかかるのは確実。本田(パチューカ)、香川(ドルトムント)の時代から、新しい時代に入っていく。しかし、ハリルホジッチ監督にとって長谷部というカードだけは捨てられない一枚である。(元J1横浜監督・水沼貴史)

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