返ってきた五郎丸歩 日本代表よりもまずは「ヤマハ・ファースト」の覚悟 

 ただチームでの立ち位置は以前のように安泰ではない。ヤマハ発動機には入団1年目の昨季、FBのレギュラーを獲得し、TLのベストキッカーにも輝いたゲラード・ファンデンヒーファー(28)が健在。清宮克幸監督は今季、この南アフリカ出身選手を練習試合にWTB(ウイング)で起用することもあったが、「ヤマハのWTBは特殊な動きをする。経験を積ませないとオプションにならないので、最低限必要なスキルやルールを身に付けさせている」と本格的な配置転換ではないと強調。五郎丸の早大時代の恩師でもあり、海外挑戦中も「いつでも帰る場所があるから、思い切りやってこい」と激励のメッセージを送っていた指揮官だが、「うまく競争をあおり、いい結果につながっていけば」。FBの定位置を2人に競わせ、レベルアップを促す腹づもりのようだ。

 五郎丸自身も「いい競争ができると楽しみにしている」と、海外でもぶち当たってきた定位置争いは望むところ。復帰会見後に初参加したチーム練習では清宮監督やチームメートに何度も話を聞き、戦術理解を早めようとする姿があった。プレースキック練習でも、代名詞となった手を重ね合わせるしぐさを省いた“新ルーティン”を披露し、「変革」の姿勢を印象づけた。

 清宮監督が明かした、今後の練習試合3試合で起用するプランを報道陣から伝え聞くと、ベテランは「3試合出るんすか?」と苦笑いを浮かべつつ、「TL開幕まであと6週間あるのでフィジカルを上げていきたい。感覚を取り戻すには必要な時間」と意欲十分。当面の照準は8月18日のTL開幕日に迎えるトヨタ自動車との初戦。ヤマハでの定位置奪取と初優勝を成し遂げれば、再び桜のジャージーに袖を通す道筋も見えてくる。(運動部 奥村信哉)

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ