遅咲きの杉田祐一、悲願の初戦突破 「得意の芝」で上位進出狙う

 【ウィンブルドン=岡部伸】日本男子で3人目、芝コートでは初となるツアー大会を制した28歳の杉田祐一が堅実な戦いぶりでブライダン・クライン(英国)をストレートで一蹴。絶好調の勢いで、悲願の四大大会初勝利を達成し、「テニスの聖地で勝てて本当にうれしい」と白い歯を見せた。

 第1セットから、「リターンに苦しむ展開」となったが、「相手に前に出させないよう、自分から積極的に攻めていこう」と心がけ、ピンチではサーブで切り抜けてサービスゲームを死守。タイブレークの末に奪うと第2セットは、第6ゲームで初めてブレークして主導権を握って連取。第3セットは第1、第3、第5ゲームをブレーク。6-0と圧倒し試合を締めた。

 松岡修造、錦織圭のように10代で米国に渡り、恵まれた環境で英才教育を受けた超エリートではない。高校チャンピオンになって日本の大学に進み、国内を拠点に世界に羽ばたいた。2006年にプロ転向し、約10年間、下部大会に参加。前哨戦のツアー大会で初めて4強入りするとそのまま優勝。世界ランクは4カ月で100位近く上がり、46位が最高位だった松岡を抜き日本歴代2位の44位に浮上。遅咲きとなったが、「苦労してよかった。腐りかけても、戻ってこられた。そんな人生を経験できた」と振り返る。

 フラット系のショットを操り、球足が速い芝を得意とする。ウィンブルドンは14年に初めて予選を突破して四大大会の本戦に挑んだ「原点であり本拠地」という。

 以来四大大会には4度出場したが、いずれも1回戦敗退。5度目の出場で初勝利となった。 しかし、「うれしいことはうれしいが、まだまだ終わらない気持ちが強い」と意外と冷静だ。

 敗れたクラインは「サーブが速くなり、フォアも攻撃的になって非常にレベルの高いテニスをした」と杉田の飛躍を保証する。

 「今は『いける』という自信がある。自分の得意な芝ではかなりの力を出せる」と「本拠地」で上位進出を狙っている。

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