錦織圭はなぜ感情むき出しでラケットに当たるのか…コート上のユーモアは観客を味方にする

 【スポーツ異聞】

 テニスの世界に、仮に「錦織株」があるとしたら、昨今の安定した世界ランキングとは裏腹に、人気は急降下しているかもしれない。2月中旬、リオ・オープン初戦で第1セット終了後にラケットを地面に叩きつけた。クレーコートにもかかわらず、ラケットはぐにゃりと折れ曲がった。男を下げた形となった世界ランキング5位、錦織圭(27)に観客からブーイングが鳴りやまず、審判から警告を受けた。錦織は“完全アウェー”の試合を立て直すことができず、同71位で地元のクレー巧者、トーマス・ベルッシ(29)にストレート負けを喫した。生涯初のグランドスラムを狙う全仏オープンを5月に控える中、錦織を取り巻く心配のタネは尽きないようだ。

 「勝負弱さ」。最近の錦織を表現すると、そんな形容詞がふさわしい。一見、冷静沈着に見えるが、最近、コート上で見せるいらだちと弱気が気になる。

 ファイナルの舞台では「6連敗」という屈辱続き。決勝の相手がトップ10の上位選手ならともかく、“格下”にも勝ちきれない。敵の術中にはまってポイントを落とすと、突然、表情をこわばらせて、感情の高ぶりを抑えることができずにラケットやボールにいらだちをぶつけるのである。

公式ルールに盛り込まれた「倫理」

 英国発祥のテニスは格式と厳格なルールの下、世界共通のルールが継承されてきた紳士のスポーツである。公式ルールブックには「コード・オブ・コンダクト」がある。日本語に訳せば「倫理規定」のようなものだ。相手選手に対する冒涜的な言葉や態度、スポーツマンシップに反する行為だけが禁じられているわけではない。(1)ボールやラケット・用具の乱用(2)身体に対する危害(3)卑猥な言葉や態度なども禁じられている。

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