ビートルズ公演時代のままの日本武道館 バリアフリー化に法令や予算、時間の大壁

 客席の2、3階にエレベーターはなく、増築しようにもスペース確保が難しい。現行の消防法などを満たしていない部分もあるため、ひとたび改修を行おうとすれば場内のスプリンクラー設備の全面改修など全体を消防法に適合させる必要がある。

 施設の稼働率が9割を超えるため、改修の時間が限られるというハードルもある。

 また、入り口前の段差解消や、歩道への点字ブロック設置、最寄り駅のバリアフリー化などについては、国や千代田区、鉄道会社の協力が不可欠だ。こうした問題は既存・新設にかかわらず他の競技会場でも浮上するとみられる。

 武道館の三(み)藤(ふじ)芳生理事・事務局長は「歴史的建物を残しつつ設備を充実させることで五輪のレガシー(遺産)として残したいが、検討するうちに、どんどんコストがかかることが分かってきた」と打ち明ける。武道館は障害者団体や競技団体の意見も踏まえ、来年1月には改修の基本設計を終えたい方針という。(高橋裕子)

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 日本武道館 1964年東京五輪の開催決定を契機に、柔道や剣道など武道の普及活動の中心となるべく昭和38年に着工し、39年に完成。大屋根の外観は富士山の裾野をイメージしている。41年のビートルズ来日公演以後は、国内外のアーティストがコンサート会場として使用、「音楽の殿堂」にもなっている。

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