近藤がつないだ7大会連続代表輩出のたすき 道場主の大石康さん「基礎をきちっと教える」柔道/リオ五輪

 リオデジャネイロ五輪でメダルラッシュが期待される柔道が6日(日本時間)から始まる。先陣を切るのは、男子が60キロ級の高藤直寿(23)、女子が48キロ級の近藤亜美(21)だ。近藤が幼いころに鍛錬を重ねた愛知県大府市の大石道場は、7大会連続で五輪代表を輩出。「子供を育てるには基礎をきちっと教える」。道場主の大石康さん(73)が守り続けてきた信念は、尊敬する先輩の教えでもあった。(小林佳恵)

 大石さんは小学5年で柔道を始め、高校卒業後は実業団柔道の強豪、富士製鉄(現・新日鉄住金)に入社。そこで出会ったのが、日本重量級のエース、神永昭夫さん(故人)だった。「柔道も仕事も一生懸命。そんな姿にひかれとった」。大石さんは振り返る。

 それから3年。1964年東京五輪が開催された。柔道が正式種目に採用され、威信を懸けた全階級制覇に期待が高まる中、神永さんは無差別級決勝でオランダの巨漢、アントン・ヘーシンクさん(同)に一本負け。翌年、引退を決意した神永さんは、大石さんにこう語りかけたという。

 「これからの日本の柔道は基礎からしっかり教えないと、ヘーシンクのような体の大きな相手のいる世界の柔道に勝てなくなるよ」

 その言葉は大石さんの心に深く刻まれた。ほどなく大石さんも引退。「少年柔道の指導者になろう」との思いが募り、神永さんに伝えると「人には生きがいが必要だ」と背中を押してくれた。周囲が反対する中、準備を重ねて大石道場を開いたのは昭和50年のことだった。

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