世界の「ユヅ」への第一歩、天性の柔軟性と表現力で世界ジュニア選手権を制した日:イザ!

2015.2.28 16:00

世界の「ユヅ」への第一歩、天性の柔軟性と表現力で世界ジュニア選手権を制した日

 【スポーツ記念日】

 豊かな表現力に甘いマスク。昨年2月のソチ五輪の男子フィギュアスケートで金メダルに輝いた羽生結弦は、多くのオバさまたちををとりこにした。

 宮城・仙台市立七北田中3年。2009年12月のジュニアGPファイナルで優勝を飾り、10年3月13日、オランダ・ハーグでの世界ジュニア選手権も制覇。初出場の前回大会で12位。身長が1年間で6センチ伸びて、170センチ近くまで達したことで、ダイナミックさが増したことも躍進につながった。

 女性ファンから「ユヅ」で親しまれる羽生の持ち味は何と言っても高い柔軟性。「女性的な表現も演技に生かしたい」と、しなやかな体から、ビールマンスピンなど女子スケーターが好む技を繰り出して魅了する。当時、目標とする選手に、個性派で知られるジョニー・ウィア(米国)の名前を挙げていたことも印象的なエピソードである。

 柔軟性や表現力は天性のものだという。羽生を4歳から中学3年まで指導していた都築章一郎は「フィギュアスケートの感性を非常に兼ね備えた子。この子はきっと世界一になる」と当時から確信していた。

 リンクへ姉に連れられてやってきた羽生が4歳のとき、将来の夢は「プロ野球選手」と語り、スケートにあまり興味がなかった。練習を5分もすれば飽きてしまう。そんな羽生のため、初めての演技は大好きだった「ウルトラマン」の曲で作ったという。

 その際、都築は羽生の高い身体能力と柔軟性に加え、教えた振り付け以外の動きが自然と出てくるたぐいまれな表現力、そして負けん気の強さを見抜いた。

 昨年末には「尿膜管遺残症」で腹部を手術したが、3月に上海での世界選手権への出場に意欲をみせているという。ただ、ここで無理をして将来を棒に振ってほしくない-と思うファンは少なくない。=敬称略(神)