「花となるより根となろう」…エリートラガーから意外な転身、宿る慶大魂:イザ!

2014.8.17 20:30

「花となるより根となろう」…エリートラガーから意外な転身、宿る慶大魂

 【スポーツON&OFF】

 慶応大ラグビー部が創部100周年を迎えた1999年度、単独では初めて、通算では3度目の大学日本一に輝いたとき、スクラムの最前列で体を張っていた強力な左プロップを覚えているだろうか。将来の日本代表とも嘱望され、後にトップリーグの神戸製鋼でもプレーした左座正二郎。27歳でジャージーを脱ぐまで相手FWと真っ正面から渡り合った男は35歳になった今、白衣を身にまとい、けがからの復活を目指す選手たちの背中を強く、やさしく押し続けている。(月僧正弥)

 福岡市出身で、幼稚園の時に九州ラグビー界の名門、草ヶ江ヤングラガースでラグビーを始めた左座の選手としての経歴は華やかだ。ポジションは最前列でスクラムを組む「フロントロー」と呼ばれるプロップやフッカー。東福岡高時代は日本一には届かなかったが、3年連続で花園に出場し、高校日本代表にも選ばれた。進学した慶大では、3年時に大学日本一に。183センチ、110キロと体格にも恵まれ、U-23(23歳以下)日本代表としてニュージーランド学生代表と対戦するなど、将来の日本代表としても期待された。

 だが、そんな大器も2004年の神戸製鋼入社後、輝きを失う。トップリーグはその年の4試合に出場しただけで、翌05年度を限りに現役引退を余儀なくされた。

 その原因の一つがけがだった。慢性的な腰痛を抱えていた上、右足のひざは「損傷しなかった靱帯(じんたい)は前十字だけ」という状態。

 トップレベルの社会人ともなれば、100キロを超えるプレーヤーは珍しくなく、当たりの強さは学生レベルとは比較にならない。FW8人が一つの塊となってぶつかり合うスクラムでは、最前列のフロントローには前と後ろから約1トンずつ、計2トンの重さがかかるといわれる。

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