平成29年度(第72回)文化庁芸術祭 『メ~テレドキュメント 防衛フェリー ~民間船と戦争~』がテレビ・ドキュメンタリー部門で大賞を受賞

メ~テレ
平成29年度(第72回)文化庁芸術祭におきまして、テレビ・ドキュメンタリー部門で『メ~テレドキュメント 防衛フェリー ~民間船と戦争~』が、参加41作品の中から大賞に選ばれました。
贈呈式は、2018年2月14日(水)に東京で行われる予定です。

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平成29年度(第72回)文化庁芸術祭 テレビ・ドキュメンタリー部門 【大賞】
『メ~テレドキュメント 防衛フェリー ~民間船と戦争~』
放送:2017年11月19日(日) 午前3:45~4:40

プロデューサー:村瀬史憲
ディレクター:依田恵美子
ナレーション:上田定行
撮影:矢野健一郎 川原和征
音声:宇都木琢
編集:竹内雅文
音効:村上祐美
MA:犬飼小波

【内 容】
防衛省が民間フェリーと船員を運用できる制度をスタートさせた。現在の「防衛大綱」は、北朝鮮や中国を「脅威」と位置づけ、有事の際に北海道などの陸上自衛隊を九州・沖縄へ展開することを盛り込んだ。しかし自衛隊には部隊を運ぶ十分な艦船がない。防衛出動では民間人を乗せることはできない。そこで民間人を予備自衛官にする「予備自衛官補」を海上自衛隊に取り入れた。
太平洋戦争中、漁船など数多くの民間船が「徴用」された。民間船員の死亡率は海軍の約2倍にのぼった。また湾岸戦争時には日本政府が民間の輸送船をペルシャ湾に派遣。アメリカ軍の指揮下で行動し、イラク軍のミサイル攻撃に晒されていたことが今回の取材で判明した。

【制作意図】
「戦争は過去にあらず」。私たちが戦争関連のニュースを伝える時に意識している視点です。去年「戦後71年」の取材でディレクターが、戦争中に多くの漁船が徴用され、海外に派遣されていたことを知りました。同じころ、防衛省が民間フェリーと契約し、有事の際に運航することを知りました。調べてみると海上自衛隊が「予備自衛官補」という制度を導入することが分かり、それが「有事の際の民間人の活用」であることに気付きました。戦争中の徴用と、防衛省が進める「民間の活用」が結びつきました。新しい安保法制の下で、総理官邸に近いメディアが報じない重大な変化が起きている。その一端を視聴者に伝えたくて、この番組を制作しました。

【受賞理由】
戦車の輸送を担うために、民間フェリーの利用が防衛計画に組み込まれつつある。はたして民間船の安全は保証されるのか。番組は太平洋戦争時の漁船の徴用、湾岸戦争での貨物船のペルシャ湾派遣で民間船が戦闘に巻き込まれていた史実を伝える。防衛省などを丹念に取材し、防衛力拡充の動きを明らかにしている。

【受賞のコメント】
●プロデューサー 村瀬史憲(むらせふみのり)
名誉ある賞に選んでいただき、光栄であると同時に身の引き締まる思いです。「軍隊を見つめれば、その国がわかる」。この言葉を胸に、かれこれ20年間機会あるごとに軍事や戦争をテーマとした報道番組に関わってきました。自衛隊の法的な位置付けを単純化しようとする動きが進む一方で、制度や任務は複雑になり、民間の立場からは分かりにくくなっているように感じます。武力を容認する風潮が広がりつつあるのも、戦争の記憶が風化しつつあることと無縁ではない。この番組が自衛隊や戦争について考えていただくための小さな一助になれば本望です。

●ディレクター 依田恵美子(よだえみこ)
栄えある賞をいただき、光栄です。この番組はメ~テレ制作のニュース情報番組「UP!」内の特集がきっかけです。戦後70年から続く取材で愛知から戦争に行った民間船の事実を知り、継続して取材をすることで変わりつつある自衛隊との接点が見えました。自衛隊だけの問題にはせず、「民間人と戦争との距離」を意識することで、湾岸戦争時の民間船派遣など新たな事実が明らかになりました。戦後70年が過ぎ、戦争体験者の数は少なくなっています。愛知県の徴用の話を証言していただいた男性も、取材から半年後に他界されました。戦争を過去のものにせず、貴重な証言を今に繋いでいきたいと思います。

『メ~テレドキュメント 防衛フェリー ~民間船と戦争~』
番組サイト: https://www.nagoyatv.com/bouei_ferry/

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