大阪維新の「ニューリーダー」吉村氏、求心力に課題

 大阪維新の会の新体制が21日発足した。「ニューリーダー」と期待される吉村洋文新代表(大阪府知事)(45)は、大阪都構想の再否決から党を立て直すため、代表選の実施を松井一郎前代表(大阪市長)(56)に直訴。執行部の顔ぶれも刷新し、「世代交代」をアピールした。ただ周囲からは「孤独」「頑固」との評価も聞かれ、不安を抱えた船出と言えそうだ。

 「負けた責任もあるが背負う責任もある。いろんな迷いがありながら、ここに立っている」。大阪市内でこの日開かれた維新の全体会議。吉村氏は代表選の立会演説で、現在の心境をこう吐露した。

 松井氏とともに2度目の住民投票を牽引(けんいん)したが、結果は否決。今月1日、松井氏から事実上の後継指名を受けた後も、周囲に「自分は負けたツートップの1人。総括が必要だ」と語っていた。

 党の創設者ではない自分がトップに立つなら、組織のけじめをつけることが不可欠-。そう考えた吉村氏は住民投票の3日後に松井氏と直接会い、代表選の必要性を訴えた。

 再建を期す思いは、執行部人事にも表れている。横山英幸新幹事長(39)ら三役は、いずれも元大阪市議の吉村氏と同様に、平成23年の統一地方選で初当選した同期。「府議会と市議会の中心メンバー」(松井氏)だ。

 今井豊前幹事長(64)ら重鎮を入れ替え、平均年齢も旧体制の53歳から44歳に若返った。ともすれば“軽量級”と見られかねず、執行部にとっては求心力が課題となる。

 吉村氏自身も党内基盤が盤石とは言えない。橋下徹代表時代の23年に弁護士から大阪市議に転身し、26年には衆院議員に。27年の都構想否決後は大阪市長を経験し、昨年4月に大阪府知事に就任した。

 多彩なキャリアとは裏腹に、いずれも1期目の任期を満了しておらず、「橋下チルドレンの1人で初当選同期は多いが、異色な経歴のためか孤独な印象がある」(維新議員)。

 「やりたいと思ったことは何としても押し通す」との評価も聞かれ、新型コロナウイルス対応で知名度が急上昇した今年6月には民放番組で「橋下さんと同じくらい腹黒い」と自嘲気味に語っていた。感染症対策で研究途上のうがい薬の効果を大々的に発表するなど「勇み足」も見られた。

 カリスマ的な橋下、松井両氏という創業者の後を継ぎ、「新生維新」を軌道に乗せることができるか。吉村氏の手腕が問われる。

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