再処理工場が正式合格 規制委、審査書を決定 本格稼働へ大きな一歩

 原子力規制委員会は29日の定例会合で、日本原燃が本格稼働を目指す使用済み燃料再処理工場(青森県六ケ所村)について、安全対策が新規制基準に適合しているとする審査書を決定、安全審査に正式合格した。原燃は令和3年度上期の完工を目指すが、今後も詳細な工事計画の審査などが続くほか、本格稼働には地元の青森県と六ケ所村の同意が必要で、稼働時期の見通しは不透明な状況だ。

 再処理工場は原発の使用済み燃料から、再利用できるプルトニウムやウランを取り出す。燃料を繰り返して使う国の「核燃料サイクル政策」の中核施設で、今回の合格は本格稼働に向けた大きな一歩となる。

 ただ、今後も続く工事計画の審査では、原発と比べて審査対象となる施設や機器が広範に及ぶ。原燃が掲げる工事終了の目標時期について、規制委の更田豊志(ふけた・とよし)委員長は「達成しようとするなら、相当の工夫と決意が必要」と指摘。審査の長期化も懸念される。

 また、本格稼働したとしても、再処理した燃料の利用先となる原発の再稼働が進んでいない現状で、どの程度の需要が見込めるのかは未知数だ。

 原燃は平成26年1月に安全審査を申請。耐震設計の目安となる揺れ(基準地震動)の想定を大幅に引き上げたほか、再処理の工程で発生する高レベルの溶液や廃液が蒸発し、放射性物質が拡散する事故に備え、冷却設備や電源を強化するなど対策をとった。敷地が海抜55メートルにあるため、津波の影響は受けないとした。審査会合は113回で、期間は6年以上に及んだ。総事業費は13兆9400億円に上る見通し。

 再処理工場は同5年に着工され、当初は9年の完成予定だったが、トラブルや東京電力福島第1原発事故の影響などで完成時期が24回にわたって延期された。

 規制委は今年5月、事実上の合格となる審査書案をまとめ、意見公募(パブリックコメント)などを実施していた。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ