石破茂・元自民党幹事長 最大の強み!世論調査なら「次期首相」 安倍長期政権への「逆張り戦略」は吉か凶か

 こうしてみると、現時点における総裁選情勢は決して有利とはいえない。しかし、「政界一寸先は闇」の世界である。「まさか」の「坂」が突然、出現する可能性は常にある。

 「ポスト森喜朗」を争った総裁選では、小泉純一郎氏が下馬評を覆して、国民的ブームを巻き起こして当選した。「自民党の流れを変える!」との絶叫に、森政権に倦んでいた国民が反応し、それに自民党員も引きずられたのである。今回も安倍長期政権に対する「飽き」が、さらに高じることになれば、同じことが起こるかもしれない。

 最近の石破氏の安倍首相に対する厳しい論評は、そうしたことを念頭においた「逆張り戦略」ともいえる。ただ、この戦略は外れたときのリスクも大きい。しかし、そうなったらそうなったときの二の矢、三の矢を用意しているはずである。

 すでに石破氏は63歳。もはや青二才の理想主義者ではないのである。それくらいの懐の深さがあって当然である。虚々実々の政局が始まろうとしている。

 ■伊藤達美(いとう・たつみ) 

 政治評論家。1952年、秋田県生まれ。講談社などの取材記者を経て、独立。永田町取材三十数年。政界、政治家の表裏に精通する。著作に『新人類は検事が嫌い』『東條家の言い分』『検証「国対政治」の功罪』など多数。『東條家の言い分』は、その後の靖国神社公式参拝論争に一石を投じた。

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