日銀、追加緩和に苦慮 米欧と協調…地銀圧迫など副作用懸念

 日米欧の中央銀行が「政策協調」に乗り出す中、日本銀行も18~19日に開く金融政策決定会合で追加の金融緩和策を議論する。新型コロナウイルスで業績が悪化する中小企業の資金繰りを支援するため金融機関向け資金供給の拡充や、上場投資信託(ETF)の購入目標額(年6兆円)にこだわらずに柔軟に買い入れる案などを検討する。ただ、日銀はすでに市場に十分な資金を供給しており、いずれも効果は未知数。マイナス金利を導入し政策余地の乏しい日銀は、追加金融緩和の対応で苦慮している。

 「必要に応じて適切な手段をタイムリーに、躊躇(ちゅうちょ)なくやっていく」。日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁は12日、安倍晋三首相と官邸で市場混乱の対応などで会談した後、記者団にこう述べた。

 日銀は外出自粛などで売り上げが減少し、資金繰りに苦しむ中小企業の支援策を検討する。金融機関に低金利で資金を供給することを通じ、中小企業への融資を促す仕組みが有力視されている。既存の枠組みを拡充するか、新制度を導入するかも議論する。

 また、現行の金融緩和策では、ETFを年約6兆円のペースで購入する目標を掲げている。新型コロナの世界的な拡大懸念から東京株式市場で株価は低迷しており、既存の目標額を超えてもETFを柔軟に購入する案を検討し、株式市場や景気の下支えを狙う。

 先進7カ国(G7)の中央銀行総裁と財務相は3日に緊急電話会議を開き、「適時かつ効果的な措置について、さらなる協調の用意がある」との共同声明を発表し、政策協調に乗り出す方針を示している。

 欧州中央銀行(ECB)は12日、米連邦準備制度理事会(FRB)は17~18日に金融政策を決める会合を開き、追加の金融緩和策を議論する。

 とくにFRBは3日の緊急利下げに続き、追加利下げに踏み切るとの見方が強まっている。

 日米の金利差が縮小して円高が進行すれば、日銀がマイナス金利の深掘りを迫られる可能性がある。リーマン・ショック直後の2008年10月に米欧の6中銀が協調利下げに踏み切った際、日銀は参加しなかったため、その後の円高を招いたという教訓もある。

 ただ、マイナス金利の拡大は、地銀など金融機関の収益をさらに圧迫するという副作用が懸念されており、日銀は難しい対応を迫られそうだ。(大柳聡庸)

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