安倍首相、国政選挙6連勝で「総裁4選」ある!? “ポスト安倍”見当たらずも…立ちはだかる最大の敵

政界マル秘紳士録

 参院選後、政局の最大の焦点は、安倍晋三首相の「自民党総裁4選」があるかどうかである。

 「4選については全く考えていない」-。4選論が飛び出したときから、安倍首相自身は一貫して、こう答えてきた。

 この発言から、安倍首相本人は4選を望んでいないと感じる人もいるだろう。だが、永田町では、額面通りに受け取る人はほとんどいない。

 「それはあくまでも建前で、本音では4選を望んでいる」との観測がもっぱらである。

 自民党は党則で「総裁任期は1期3年で3期まで」と決められている。従って、昨年の総裁選で3選を果たした安倍首相は再来年の9月末までで退任しなければならないルールとなっている。

 しかし、そこは政治の世界。党則改正して4選を可能にすればいい。実際、二階俊博幹事長は今年3月、安倍4選のための党則改正に言及した。さらに参院選開票日のインタビューでは、「安倍首相が4選を希望するなら支持する」との意向を表明した。

 確かに、客観情勢としては、安倍首相の4選は可能な状況にある。

 まず、「衆参国政選挙で6連勝を果たした」という実績である。「選挙に強い総裁」を退任させるのは自民党にとって得策ではない、という判断は十分あり得る。

 もう一つは、安倍首相に肉薄する「ポスト安倍」の存在が見当たらないことだ。

 石破茂元幹事長は昨年の総裁選で善戦したが、その後、鳴かず飛ばずの状態だ。岸田文雄政調会長は「最有力候補」と言われるが、今回の参院選で、幹部を含む自派候補4人が落選し、ミソをつけた。菅義偉官房長官は新元号「令和」の発表役として知名度も存在感もアップしたが、激動の世界情勢を乗り切る手腕には不安がある。野田聖子元総務相や河野太郎外相も、安倍首相を脅かす存在とはいえない。

 こうしてみると、4選を阻む要素は何もないかに見える。

 ところが、安倍首相の前には、巨大な「見えない壁」が立ちはだかっている。その正体は、長期政権に対する国民の「飽き」である。

 先の参院選でも一部現れていたが、それほど表面化することはなかった。今後、政権が長期化すればするほど、深刻な問題となる可能性はある。国民の感情に潜む見えない壁だけに対応は難しい。この難問にどう対応するか。

 何よりも、安倍首相が自身の責任の重さを改めて自覚し、原点に立ち返ることだ。これまで以上に「謙虚さ」「度量」「寛容さ」「強い安倍」のイメージからの脱却、丁寧な政権運営をすることが求められる。

 安倍首相に課せられた重い課題である。(政治評論家・伊藤達美)

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