日章旗、73年後の奇跡 元米兵「家族に返すと日本兵と約束」 日米夫妻が返還活動に尽力

 ストロンボさんは「横たわる遺体から何か持ち帰るというのは罪悪感を感じた。しかし持って帰らなければ戦地で永遠に失われてしまう。旗が大切な物だと分かり、いつか必ず返すと心の中で約束した」。終戦の日の15日、娘や孫らと東白川村を訪問し、安江さんの最期の様子を遺族に直接伝えるという。

 安江さんの弟の辰也さん(89)は「破れやすい旗を70年以上も大事に保管してもらって、ただただうれしい気持ち。兄は海上で亡くなったと聞き、遺骨もない。どのように亡くなったか聞けるのは、大変感動している」と話した。

 レックスさんと敬子さんに託された日章旗は400枚以上。そのうち遺族の元に戻ったのは約100枚で、今でも毎日、メールや電話で、元米兵らから戦時中の遺品返還についての問い合わせがある。元米兵も高齢化しているため、直接遺族に手渡す機会はなくなっていくかもしれない。

 「彼らは心の中で葛藤や悲しみと格闘している。日本に返すことで戦争に対する終止符を打ちたいという願いがある」。レックスさんはそう思いやった。

 ■寄せ書き日の丸 先の大戦では出征にあたり、家族や知人らが武運長久を祈って日章旗に署名やメッセージを寄せ書きし、多くの日本の将兵は受け取った日章旗を肌身離さず身に着けて戦地へ赴いた。一方、連合軍の将兵らは戦火に倒れた日本の将兵が持っていた日章旗を戦利品として入手。故郷へ持ち帰った。その後、日章旗の返還を希望する旧将兵やその遺族が出てくる一方、近年は国内外のインターネットオークションで売買されるケースも増加、問題となっている。

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