欺瞞に満ちた韓国番組「独島100年の時間」 嘘八百の主張を打ち崩すには…

【竹島を考える】下條正男・拓殖大教授

 内閣官房の「領土・主権対策企画調整室」は5月12日、『尖閣諸島及び竹島に関する資料調査報告書』(以下、報告書)をネット上に公開した。韓国側の反応は、共同通信の報道を複数のメディアが翻訳して伝えた程度で、「(この資料は)日本の主張を重ねて立証するもの」とした松本純担当相の発言は無視された。

 YTN(韓国のニュース専門テレビ局)の電子版は、「報告書に収められた独島(竹島の韓国側呼称)関連の資料は、日本がこれまでの間、『独島は日本の領土』とする偽りの主張をしながら、提起してきた根拠と差がない」と報じたが、これが全てを物語っている。松本担当相は、「日本らしく丁寧に、客観的なエビデンスを内外に発信していく」そうだが、現実は甘くない。

 説得力ある韓国側の主張

 報告書が公開される10日前、韓国の国策研究機関「東北アジア歴史財団」(独島研究所)のホームページには、昨年8月にYTNが放映した「『YTNスペシャル』大韓民国独島100年の時間」(約100分)が掲載され、その1週間前には、東北アジア歴史財団制作の「独島広報映像」(約7分)が公開された。

 「独島広報映像」は、「日本の独島領有権主張の虚構性を客観的な事実を根拠に説明する」ために制作され、その欺瞞(ぎまん)に満ちた主張には説得力がある。

「『YTNスペシャル』大韓民国独島100年の時間」も、東北アジア歴史財団の協力で制作され、「6世紀から韓国領だった竹島が、日露戦争の最中の1905年、日本に侵奪された」とする“歴史認識”で一貫している。

 この詐欺まがいの韓国側の広報に対して、資料を羅列しただけの報告書では、歯が立たない。

 主張論破され、新たな論理開発に走る韓国

 今日、竹島問題は、韓国側が主張する理不尽な歴史認識を糺(ただ)す段階にある。竹島問題は、島根県竹島問題研究会が2014年に刊行した『竹島問題100問100答』で、ほぼ決着がついているからだ。

 島根県の竹島研究では、竹島を韓国領とする文献や古地図に対して、韓国側の文献解釈の誤りを指摘したが、韓国側ではそれに対する反証ができずにいる。

 そこで韓国側は主張が批判されると、「独島を韓国領とする論理を開発しなければならない」と強調するようになった。論破された事実を認める代わりに、争点を移して、新たな「論理を開発」することにしたのである。

 その「論理を開発」した結果が、慶尚北道独島史料研究会の『「竹島問題100問100答」批判』や、韓国側の論理をそのまま使った名古屋大学の池内敏教授の『竹島-もうひとつの日韓関係史』(中公新書)である。

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