22時間ちぐはぐ国会 野党「牛歩」展開も…自民は秘策で国会運営をリード

 「徹夜国会」を経た「テロ等準備罪」を新設する改正組織犯罪処罰法の成立は、ちぐはぐな対応に終始した民進党を、自民党が綿密な策略で振り切った結果だった。

 「『アベ政治』に多くの国民が大きな不安を抱いている。国会の周囲で『民主主義って何だ』『共謀罪反対』と訴えている声に、なぜ耳を傾けないのか」

 すっかり夜が明けた15日朝の参院本会議で、民進党の蓮舫代表は改正法の反対討論に立ち、こう声を張った。国会周辺で夜通し反対活動を繰り広げたデモ隊を「多くの国民」になぞらえ、成立を急ぐ政権は世論と乖離していると訴えた。

 しかし、そもそも早期成立の端緒をつくったのは民進党の稚拙な国会対応だった。与党が13日の参院法務委員会で採決日程を提案する前に、金田勝年法相への問責決議案を提出した。与党は審議放棄とみなし、法務委の採決を省略する「中間報告」による成立へと一気にかじを切った。

 慌てた民進党は共産党などと連携し、山本順三参院議院運営委員長(自民)への解任決議案や、安倍晋三内閣への不信任決議案などを立て続けに提出して抗戦した。その都度、時間のかかる記名採決を求め、国会は14日午前10時から15日朝8時前まで約22時間続く異常事態となった。

 15日早朝に始まった改正法の採決で、自由、社民両党の議員ら7人が記名投票の際、投票箱までゆっくり歩いて議事進行を妨害する「牛歩戦術」を展開した。伊達忠一議長が再三の注意の末に投票終了を宣言し、社民党の福島瑞穂副党首ら3人の反対票が時間切れで無効になる失態も演じた。

 蓮舫氏は本会議後、記者会見で「敗北とか勝利で国会を考えたことはない」と強がったが、敗北感はぬぐいようがない。

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