北朝鮮拉致 「北朝鮮は何もない…」捕らわれた被害者の戸惑い 日本人が同胞を拉致した「異常」な現実が今も

 「北朝鮮は良い所と聞いたけれど何もない。大したことないね…」。1980(昭和55)年ごろの北朝鮮・平壌。拉致被害者の「招待所」で言葉を交わす松木薫さん、石岡亨さんとみられる日本人が目撃された。言葉巧みに拉致され、当惑する悲しげな姿が浮かぶ。

 拉致の実行者は昭和45年、日航機「よど号」を乗っ取って北朝鮮へ亡命した「よど号グループ」とされる。9人のメンバーは北朝鮮の主体思想を称賛するようになり、日本人同志を獲得する「コマンド(兵士)リクルート」を展開。金正日総書記直々の“下命”を受けたとの分析もある。

 乗っ取り犯として追われるメンバーに代わり、北朝鮮で合流した妻らが欧州に入り、「共産圏を旅しないか」などと誘って拉致。警察当局は松木さん、石岡さんの拉致をめぐり森順子(よりこ)(64)と若林(旧姓・黒田)佐喜子(62)の両容疑者を、有本恵子さん拉致をめぐり魚本(旧姓・安部)公博容疑者(69)を国際手配したが、北朝鮮は身柄引き渡しに応じていない。

 メンバーのうち田宮高麿最高幹部ら3人が北朝鮮で死亡・消息不明。残るメンバーと妻ら計6人が今も現地で暮らす。拉致への関与を否定しながら日本への帰国を希望する。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ