国連反日報告 日本政府の言い分無視 慰安婦・沖縄に言及

 国連人権理事会で12日、日本の「表現の自由」に関する報告を行った特別報告者のデービッド・ケイ氏からは、予定原稿にはなかった発言が飛び出した。これこそが、最も言いたいことだったのだろう。

 「特に懸念しているのは、当局からのメディアに対する直接的または間接的な圧力、一部の歴史問題における限定的な言論空間、安全保障分野に関する情報へのアクセス制限だ」

 さらにケイ氏は短い発言時間の中で、慰安婦問題や沖縄での反基地運動に言及することも忘れなかった。

 2日に自民党本部で開催された会合に出席した際には、「日本には高度の言論の自由があることは十分理解している」と繰り返していたにもかかわらず、結局日本政府の言い分は無視している。

 政府は昨年4月のケイ氏の調査受け入れに協力し、関係省庁や国会議員らとの面会を調整して外務副大臣も実情を伝えた。伊原純一・在ジュネーブ国際機関日本政府代表部大使が「日本の状況が正しく理解されるよう、丁寧に説明をした」と強調した通りだ。

 政府はケイ氏の離日後も接触を重ね、伝聞や推測に基づく指摘や根拠不明な記述・見解を正すよう求めた。だが、この日のケイ氏の発言はその政府の行動に反発したかのようだった。

 当事国政府の説明に背を向け、一部の市民活動家にしか耳を傾けないのが特別報告者制度であるならば、公平・公正な人権に関する報告などおぼつかないのではないか。(ジュネーブ 原川貴郎)

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