岸田文雄外相「受け入れられない」 北朝鮮側のストックホルム合意「破棄」発言に反発

 岸田文雄外相は18日の記者会見で、北朝鮮の宋日昊・日朝国交正常化交渉担当大使が拉致問題に言及したことについて、「(平成26年5月の)ストックホルム合意を破棄したと発言しているが、全く受け入れられない」と述べた。同合意は全ての拉致被害者再調査などを盛り込んでおり、引き続き実行を求める方針。

 宋氏は17日、平壌でフジテレビなどの取材に対し、「残留日本人」問題に取り組む考えを示す一方、拉致問題について「誰も関心がない」とも述べた。

 加藤勝信拉致問題担当相は18日の記者会見で、残留日本人問題について、戦前から北朝鮮領内にいた日本人を念頭に「人道面から取り組むべきだ」と強調。拉致問題に関しては「わが国の最重要課題だ。北朝鮮に挑発の自制を突きつけながら全被害者の帰国に全力を尽くす」と述べた。

 宋氏の発言は、日本を対話の場に引き出す狙いもあるとみられるが、日本政府の反応は冷ややかだ。外務省幹部は宋氏について「彼が言ったことが実現したことはほとんどない」と指摘。別の同省幹部は今月25日が朝鮮人民軍創建記念日に当たることを念頭に「25日までの北朝鮮の動向を見極めなければ対話に動けない」と述べた。

 政府は核・ミサイル開発を進める北挑戦に圧力を強める一方、拉致問題に進展の見込みがあれば対話に応じる構え。宋氏の発言が金正恩朝鮮労働党委員長ら政権首脳の指示を受けたものかどうか分析を進める。

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