拉致問題 繰り返される進展なき越年 被害者家族のためにも日本政府は戦略を練り直すべきだ

 【外交・安保取材の現場から】

 5月の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)とオバマ米大統領の被爆地広島訪問、年末の日露首脳会談-。今年は外交が目まぐるしく動いた1年だったが、北朝鮮による拉致問題をめぐる日朝交渉は具体的な進展がないまま年を越そうとしている。北朝鮮は国際社会の制止をよそに核実験や弾道ミサイルの発射を繰り返している。拉致・核・ミサイルの包括的解決を目指す日本政府は独自制裁強化など圧力を強めるが、拉致問題進展の糸口は見えず、政府は戦略の見直しを迫られそうだ。

 「拉致・核・ミサイルといった諸懸案を包括的に解決するため今回、米国および韓国とも協調の上、さらなる独自の措置を行う方針を固めた」

 12月2日、安倍晋三首相は官邸で開いた拉致問題に関する関係閣僚会合で、5回目の核実験を行った北朝鮮に対する日本独自の制裁強化を表明した。

 独自制裁の強化は関係閣僚会合に先立つ国家安全保障会議(NSC)で決定していた。併せて関係閣僚会合を開催したのは、独自制裁強化の理由に核・ミサイルだけでなく拉致も含んでいることをアピールし、拉致問題が安倍政権の最重要課題であるということをあらためて示す狙いがあったとみられる。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ