「トランプさんは拉致問題を知らないのでは…」安倍政権は被害者家族の心配にどう応えるのか

 【外交・安保取材の現場から】

 「2人で本当にゆっくりとじっくりと胸襟を開いて率直な話ができたと思っています。大変温かい雰囲気の中で会談を行うことができたと思っています。共に信頼関係を築いていくことができる、そう確信の持てる会談でありました」

 安倍晋三首相は11月17日夕(日本時間18日朝)、米ニューヨークでのトランプ次期米大統領との初会談後、満足そうに記者団に感想を述べた。会談時間は約1時間半。内容は明らかにされていないが、在日米軍の駐留経費や環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)などについて意見交換したとみられている。

 在日米軍問題もTPPも日本国内で大統領選中のトランプ氏の発言に懸念の声が上がっていた内容だが、同じように北朝鮮拉致問題に対するトランプ氏の姿勢を不安視する声も拉致被害者の家族会などを中心に多い。拉致被害者の田口八重子さんの兄で家族会代表の飯塚繁雄さんは「選挙戦で具体的政策はあまり出なかった。トランプ氏は日本人拉致を知らないだろう」と語る。

 家族会としては、まずは日本政府に「トランプ氏に拉致問題をしっかり認識させてほしい」(飯塚さん)と要望している。安倍首相は外国首脳との会談の際にはほぼ必ず拉致問題について触れており、トランプ氏との初会談でも話題になるか注目が集まっていたが、首相周辺は「初対面から拉致問題を持ち出す時間はなかっただろう。もう何回か会ってからになるのではないか」と強調する。拉致問題の解決は安倍政権の最重要課題と位置付けてはいるものの、全く白紙状態のトランプ氏にいきなり拉致問題を切り出すのは得策ではないと判断したようだ。

アクセスランキング

もっと見る

ピックアップ