甘利氏辞任 続投しても辞任しても政権へダメージ…それはギリギリの決断だった

 第2次安倍晋三政権を支えてきた中枢閣僚の一角が崩れた。自身や公設秘書の金銭授受疑惑で経済再生担当相を辞任した甘利明氏。続投しても辞任しても政権へのダメージは大きく、ギリギリの決断だった。

 ◆強気の姿勢も

 「野党に経済演説を聴いてもらえないばかりか、国会審議にも支障をきたしかねない。このことは、安倍政権を支える中心的立場の人間が逆に足を引っ張るという、閣僚・甘利明にとっては、誠に耐え難い事態だ」

 甘利氏は28日の記者会見で、ときどき言葉を詰まらせながら、辞任する理由を語った。

 週刊誌で疑惑が報じられた直後から覚悟を決めていた。政権の重要閣僚を直撃した「政治とカネ」の問題に、政府・与党内には「辞任不可避」との見方が強まった。国民の政治不信が増幅し、政権運営の潮目が変わることへの危機感があった。

 甘利氏は「自分のせいで国会審議が止まったら、申し訳ない」と官邸側に辞意も伝えたが、安倍首相らは「内閣支持率が下がってもいい。負けずに頑張ってほしい」と慰留した。

 徐々にだが続投論も広がった。甘利氏は大筋合意したTPP交渉を一手に担ってきたため、「TPP国会」を乗り切るには不可欠とされた。これまで牽引してきたアベノミクスへの影響も小さくない。

 「本会議場に響いた拍手には、さすがに胸が詰まった…。感謝している」

 甘利氏は22日、反発する野党が退席した衆院本会議場で経済演説を行った後、そう周囲につぶやいた。以降、「これからは記者会見でも国会審議でも逃げずにしっかりと答える」と強気の姿勢もみせていた。

 ただ、自問を繰り返す日々は続いた。

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