民主党の社民党化が止まらない…安倍政権「ナチス」呼ばわり、自らの憲法提言を忘れたのか?

 【内藤慎二の野党ウオッチ】

 民主党の岡田克也代表は1月15日のBS朝日番組の収録で、自民党が憲法改正草案に盛り込んだ緊急事態条項の新設に関し「ナチスが権力を取る過程だ」と懸念を示した。緊急事態の名のもと、安倍晋三政権が権力を乱用しかねないと訴えたかったようだ。ただ、ナチスを持ち出して危機感をあおるのは「護憲」を掲げる社民党の福島瑞穂氏も好む論法だ。一向に対案を示さず、改憲論議にも後ろ向き…。民主党は“社民党化”しているのだろうか。

 「緊急事態になれば、法律がなくても首相が政令で法律を履行でき、権利を制限できる。恐ろしい話だ。ナチスが権力を取る過程とはそういうことだ」

 岡田氏は収録でこう強調し、終了後は記者団に「ヒトラーは議会を無視して独裁政権を作った。自民党案はそういうふうに思われかねない」と述べた。

 岡田氏が嫌悪する自民党案は、大規模自然災害やテロなどの緊急事態に際して首相が「緊急事態を宣言できる」としている。

 迅速な対処を可能とするため一時的に「内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」と明記。一方、国会が宣言解除を議決すれば「速やかに解除しなければならない」とも記し、“行き過ぎ”に歯止めをかけている。

 岡田氏はこうした取り組みに違和感を覚えているようだが、民主党の「常識」は国際社会では「非常識」だと言わざるを得ない。

 昨年秋に深刻なテロ被害に遭ったフランスのオランド大統領は左派だと認知されているが、事件後に「危機に対処できる新憲法が必要だ」として改憲を急ぐ考えを表明した。目的は自民党案と同じく、非常事態下での政府権限の強化だ。

 各国の憲法に詳しい西修・駒沢大学名誉教授によると、1990年以降に制定された103の憲法の全てに緊急事態条項が盛り込まれた。だからといって、それらの国々を「ナチスだ」と決めつける声は聞こえてこない。なぜか。「万が一」に備えるのが国際社会の常識だからだ。

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